
毎日の料理で使う「だしパック」。
使い終わっただしパックを毎回捨てるのはもったいないですよね。
植物を育てている方は、だし殻を肥料にできないかと考えたこともありませんか?
だしパックには、かつお節やいわし、昆布などの天然素材が使われており、ミネラルや有機物を豊富に含んでいます。
これは土壌にとっても栄養の宝庫。
使い終わっただしパックは肥料に使えないかと、今回私はいろいろ考察してみました。

魚粉という肥料もあるぐらいだし、それに近いのでは?
しかし、そのまま土にまくのは要注意。
しっかり処理をしなければ逆効果になることもあります。
この記事では、使い終わっただしパックは肥料になるのかどうかをまとめました。
ぜひご覧ください。
だしパックを肥料にする方法
出汁を取ったあとのだし殻は、水分をたっぷり含んでいます。このままでは腐敗や悪臭、虫の発生の原因に。
まずはしっかりと乾燥させましょう。
だしパックの水分をなくす

乾燥の方法は簡単です。以下のような方法がおすすめです。
- 天日干し:ザルなどに広げて、2~3日しっかり日光に当てて乾かします。湿度の高い日は避けましょう。
- 電子レンジやオーブンを使用:短時間で乾燥できますが、焦げには注意。
- フードドライヤー:衛生的でスピーディー。頻繁に出汁を取る家庭には特に便利です。

私は、使い終わっただしパックを袋から出して容器に広げ、天日干ししました。
夏場だったので数時間でカラカラに。
夜にだしをとったので、だしパックは翌日までは水気を絞って冷蔵庫に入れておき、翌日乾燥させました。
虫も来ず、処理しやすかったです。

水分がなくなってカラカラになったら、手で細かく砕いておくと土になじみやすくなります。
畑にまく
乾燥させた魚粉状のだし殻を、家庭菜園の畑やプランターに混ぜて使用します。
窒素やリン、カリウムなどの栄養素が含まれており、葉物野菜や根菜に効果的です。
少量ずつ土に混ぜ込むことで、ゆっくりと栄養が行き渡り、土の質も良くなります。
だしパックを肥料としてまくとどうなる?
実際に、だし殻を乾燥させて畑にまいてみたところ、数週間後には土がふかふかになり、野菜の育ちがよくなったという声もあります。
ただし、多量にまくと土の中で分解しきれず、逆にカビが生えたり異臭の原因になることも。
少量ずつ、何度かに分けてまくのがポイントです。

後日効果などわかれば追記します。
🧂だしパックの素材に含まれる主な肥料成分と効果
だしパックに含まれている主な成分と、肥料としてどんな効果があるのかをまとめました。
素材 | 含まれる主な成分 | 成分の効果(家庭菜園向け作物) |
鰹節 | 窒素(N)、リン酸(P)、カリウム(K)、カルシウム、アミノ酸 | ● 窒素:葉や茎の生長を促進(※多すぎると実つきが悪くなる) ● リン酸:花や実の付き・根の発育を促進 ● カリウム:病害虫への抵抗力UP、果実の品質向上 ● カルシウム:実のしまりを良くし、腐敗防止 |
いわし煮干 | 窒素、リン酸、カルシウム、マグネシウム、鉄分 | ● 鉄分:光合成を助け、健康な葉を育てる ● マグネシウム:葉緑素の構成要素、光合成に必要 |
あじ煮干し | 窒素、リン酸、カリウム、カルシウム | ● 特にリン酸が多く、トマトやパプリカなど実もの野菜に効果的 |
昆布 | カリウム、カルシウム、ミネラル類(マンガン、ヨウ素など)、多糖類 | ● カリウム:果実の糖度向上、耐病性向上 ● ミネラル:微量要素として全体的な健康を支える |
しいたけ(干し) | 微量の窒素・リン酸・カリウム、ビタミン類、キトサン | ● キトサン:植物の免疫を高め、病気予防に有効(天然のバリア効果) |
🍅作物別に見た成分の相性
どの作物にどの成分が有効なのかを表にまとめました。
作物 | 必要な主な成分 | だしパック素材との相性と効果 |
トマト | リン酸、カリウム、カルシウム、マグネシウム | 鰹節・いわし・あじ・昆布:実の肥大、甘み向上、病気に強くなる |
きゅうり | カリウム、リン酸、窒素(控えめ)、カルシウム | 昆布・いわし・あじ:果実の肥大や耐病性に◎ |
なす | 窒素、リン酸、カリウム | 鰹節・いわし・あじ:生育促進と実つきの両立に◎ |
モロヘイヤ | 窒素、カリウム、カルシウム、マグネシウム | 鰹節・昆布・しいたけ:葉物野菜の成長を促進、ミネラル補給に効果 |
えだまめ | 窒素(少なめ、根粒菌で足りる)、カリウム、カルシウム | 鰹節・昆布:窒素を与えすぎないよう注意、カリウム補給にちょうどよい |
青じそ | 窒素、カリウム、マグネシウム、カルシウム | 昆布・鰹節・しいたけ:香りや葉の緑を良くする効果が期待 |
じゃがいも | カリウム、リン酸、カルシウム | 昆布・あじ・鰹節:根の発達とデンプン蓄積を促す |
だいこん | カリウム、リン酸、微量要素 | 鰹節・昆布:根の成長と肥大に効果、過剰な窒素は避けたい |
にんじん | リン酸、カリウム、カルシウム | 昆布・あじ:根の甘みと肥大に◎、鰹節は少なめ(窒素過多に注意) |
レタス | 窒素、カリウム、マグネシウム | 鰹節・昆布・しいたけ:葉の成長と緑の維持、苦味の軽減にも |
ピーマン | カリウム、リン酸、カルシウム | 鰹節・あじ・昆布:実の付き・色づき・食味向上に◎ |
パプリカ | リン酸、カリウム、カルシウム、微量ミネラル | 鰹節・昆布・しいたけ:果実の色や甘み、病気に強い株に育てる効果 |
🌿ポイント
- だしパックの魚成分(鰹・いわし・あじ) → 窒素・リン酸・カルシウムが豊富
→ 花や実をつける野菜全般に非常に有効です。 - 昆布・しいたけ → ミネラルや補助成分が多く、土壌のバランスを整えたり病気予防に役立ちます。
- 注意点:魚由来の有機物は分解が進まないと臭いや虫の原因になるため、乾燥またはコンポスト化してから使用することが必須です。
🧪まとめ:だしパック肥料が特に効く作物トップ3
- トマト・パプリカ・ピーマン
→ 実をつける野菜に必要なリン酸・カリウム・カルシウムが豊富! - モロヘイヤ・レタス・青じそ(葉物)
→ 窒素やミネラルで葉の色・香り・ボリュームUPに効果的! - じゃがいも・にんじん・だいこん(根菜)
→ 適量のリン酸・カリウムで根の肥大と糖分増加が期待できる!
⚠️注意点
魚系のだし殻は窒素が多いため、根菜類や豆類にはやりすぎ注意。乾燥・発酵などでしっかり処理してから、適量を施すようにしましょう。
今回原材料を参考にしただしパック(わが家で使用しているもの)はこちらです。
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